松本匡史のドクターズブログ(院長からのちょっとしたお話)

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2010.04.26想い
心新たに、我々の原点に

昨日は、朝から晴れ渡る気持ちのいい日になりました。

その日は、恩師の墓前に
「無事新たなるチャレンジがスタートしたことと、患者様の安全、そしてスタッフが心地よく、安全に働ける環境が可能になること、今後も私の体調良いことを願い」報告へ行きました。

まあ~仏様は、神様でないから、欲張りかな???
自分で頑張れ!と、恩師は言われているかも・・・・・。(苦笑い)

その出発前に
朝からボーと新聞を読み、ふと思い出した事が・・・・・・・。

5年前働いていた医院で、突然患者さん亡くなった事を思い出しました。

テレビに映る信じられない惨状に、目が奪われ仕事ではなかった。
先進国である日本に於いて、ハイテク電車が見るも無残に砕け折れ曲がり、多数死亡者が出たあの事故です。そう、JR西日本の尼崎脱線事故です。

実は事故当日には、患者さんが巻き込まれていることを知らなかったのです。
その患者さんは、若い27歳の女性でした。
直接治療をしていませんでしたが、顔は覚えていました。

これを知ったのは、事故2日後の診療室のテレビに映る被害者名簿にスタッフが、気付いた事を。
今でもスタッフとのやり取りの記憶が鮮明に。

「うそやろ~」
「まさか~。すぐ調べろよ。年齢を!」

「一致しますよ」

「それだけでは同じ人一杯いるやろ!住所は?」

「住所が宝塚の方ですよ!」

信じられん。「次のアポは?」

「来週です。確認しますか?」

「あほか!!そんな事、失礼やろ!」
「来たら、別人やな~。しかし、来なかったら・・・・・・・。」


「ん~」

*その時の当日、時間になっても当人は現れず。
 彼女のために用意した道具だけは、診療台におかれたままがすごく印象的でした。

新聞の見出しで5年経過したことを知り、改めて現場に。
当時の事故後にも行きましたが・・・。当時は現場の近くまで行ける雰囲気ではなく。

今回は、花屋に行って事故現場に行く献花とお墓用の献花とをを購入して。
花屋の人に「墓参りには最高にいい天気やね」と言われつつも、何か心は晴れず・・・・。

昨日の事故現場の献花場は、人の魂がそこに眠ると考えると、今でも重い空気が。
と、横を通り過ぎるゆっくり走る列車の中から、合唱する乗客が見えます。
事故現場より50メーター外れた所の献花台には、沢山の献花が積まれ、
さらに、列車が押しつぶされ地下一階にまで潜り込んだ、マンション1階にも献花台とお地蔵様が。

そこでも合唱して。

何とも悲しいつらい、重い現場なのかと実感しました。
彼女が生きていたら、現在32歳でしょう。
助かっても障害は免れない現実もあったのではと思うと。

今の日本で、電車に乗って死ぬなんて思わない事だったが。

経営者の「効率と利益」を優先にし過ぎた代償は、あまりにもあまりにも大きいと実感しました。
5年経っても、こんな重い空気の現場を実感したのは初めてで。

私も5年前の対場と違い今は、医院経営に身を置く立場に。
目先の事を考えすぎて、我々も治療をしたらこんな事が起こるのだと。

最近、いつも親しくざっくばらんに話し合える患者様からも、
同じような助言を頂いた事を思い出しながら、これを真摯に受け止めながら、
「原点回帰を新たに」現場をあとに。


ん~、でもお墓参りすると心落ち着く自分は、歳取った証拠か?それとも・・・・・。

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