松本匡史のドクターズブログ(院長からのちょっとしたお話)

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2006.06.20かみ合わせの真実
かみ合わせの凄さと怖さ・・・・2

 前回紹介した来院された患者様の報告です。
昨年末に、事故に遭い、右アゴを骨折の重傷になり、1ヶ月近く、上下のアゴを固定していたらしいです。

上下のアゴを固定すると言う事は、食事が口から出来ないのです。
つらい話です。出来ても、流動食か点滴をして、入院していたらしいです。
それから、アゴが開放されて食事とリハビリを始めても、噛みづらい症状が出てきました。
全て自分の天然歯なのに。

「骨折したら、ズレルから仕方ないので、リハビリで治しましょう!」と
言われ続けたらしいです。

さらに、どうしても車の運転中はイライラして辛いそうなのです。
当然、食事も美味しくないし、右アゴ全般に痛みが走るらしいです。

私が見た結果、アゴの骨折の痕は全く見当たりません。(レントゲン上)
これなら、整形外科と口腔外科では治っていると判断するはずです。
骨には、全く異常が無いのに痛みが出ると言う事は不可解なことです。
辛いなら、マウスピースを入れなさいと言われたらしいです。
でも、日々入れて仕事(会話・食事)するわけにいきませんので・・・・。

確かに目に見えておかしい部位は存在しません。
しかし、骨折後の上下のアゴの固定が、ズレたことで悪い習慣性になってしまったと見ています。

治療の結果現在は、アゴの痛みとイライラ感が、ほぼ消失したらしいですが、まだ私は安心していません。まだ、治療して1ヶ月ですから。
ある程度原因が解かれば、後はどう治療して結果・形にするかですが、間違えると逆に重症になってしまうのが、かみ合わせの怖いところです。

実際、以前経験した患者様で、
ある審美治療を別に受けられたことで、精神的疲労、体全体の倦怠感、頬を常に噛む、物がよく詰まる、舌が味を感じなくなって、コケが生えてるなど、9つも訴える患者を診た事があります。
残念な結果ですが、本来あるべき重要な歯を審美治療のため動かしたらしいですが。
そこから出来たかみ合わせが辛くて、その先生に訴えても相手にされず、本人自ら総合病院でMRI・CTなど検査を受けた結果は、異常なし。
挙句、精神科医に行ったというのです。ここまで訴える時の患者様の様子は、正常な喋り方ではなかったのを 覚えています。

その原因も実に簡単です。見た目優先の治療設計が、災いしていました。
ここで言っておきますが、審美治療が悪いわけではありません。歯の本来の機能を失わせていただけです。
「見た目は綺麗だから、私の苦しみを誰も理解してもらえない。」と嘆くのです。

狂わすのは簡単、元に戻す事は、かなり困難なことなのです。この人も8割の問題を解決できましたが、残り2割は以前と違うポジションに歯があるので、どうしようもない結果でした。それは、唯一舌の違和感が消えませんでした。

初期の治療設計に問題なければ、起きないトラブルです。
審美治療という技術と、インプラントを埋入する技術、また、矯正する技術などなどは、全て別次元なのです。でも最後残念ながら、その歯で噛むという作業が、一緒であるということです。噛ませる技術は、特殊と言えます。当然、学会でも噛むという考え方は統一されていません。
どんなにいい材料・道具・検査機器があろうとも、またいい車・ベンツがあろうとも、乗り手がまともでなければ、事故はおきます。

最初の話に戻します。骨折した事が本来の原因ですが、大事な事は固定したことで、何がどう・どの方向に狂ったかを理解しなければ、私はこの患者さまを助けられなかったでしょう。
また、狂っていることが解かっていてもどのように治すかという技術が未熟であれば、触らなかったでしょう。

「かみ合わせは、目に見えない心の病である。」と、こんな患者を多く診て私はそう思っています。

また、次回は違ったケースを報告しようと思います。

2006.06.11かみ合わせの真実
かみ合わせの凄さと怖さ・・・1

先月、開業して間もなく、被せの脱離と、かみ合わせが悪いと言うことで来院してこられた方がおりました。私としても、かみ合わせ(咬合治療)を重要としていますので、治療を引き受けました。

カブセの脱離は、大きな問題ではありません。カブセの適合性と形成(削り方)の問題が大旨解決できたら、脱離は防げるでしょう。
今回はかみ合わせ(咬合)治療とは、「何や~」ということで書きます。

かみ合わせ(咬合)は個人によって異なり、理論上では問題でも自然にできた歯並び・排列なら問題は起き難いです。だから、何が正しいかと言うと「ない」と言うか、「ある」というか、難しいというのが咬合です。

かみ合わせが良くなると、歯の寿命が延び、歯の痛みが消えたり、噛みやすくなったり、くいしばり・歯ぎしりが減少したり、歯以外では肩こり・筋肉のしびれの減少、ダルさ、ヘルニア・などが改善されます。
しかし、歯以外の改善を目的として治療していませんので、良い副産物が生じたと思ってください。

逆にかみ合わせが狂っている場合は、歯の寿命が短くなったり、痛みが出たり、顎関節を引き起こしたり、くいしばり・歯ぎしりが出たり、口が開かなかったり、全身症状でも色々と出てきます。また、かみ合わせが、安定しないためイライラ感が出たり、全身に力が入らないなど、最悪は、起立できないこともあります。

この悪い症状が出るときは、たった1つのかみ合わせの狂いを持続的に持ってる場合に出ます。当然2つ・3つあると、症状は酷くなります。日ごろはあまり本人も解からず、また、解かっていたとしてもいずれ治る、慣れると思っていると、ある日突然、体が音を上げるのです。それほど大変な不治の病です。
たまにこの病が、女性の場合更年期障害と病名つけて片付けられたりされるそうです。

この問題に対して、解決法はと言うと、歯科界では多くの理論があり、Drによっても見解がバラバラです。
実際に歯科医の中でも、大きく理論が割れますし、宗教っぽい状態です。申し訳ないですが、その上に患者様がいるというのが、現在の歯科界ではないでしょうか。

次回は、実際にあったかみ合わせの治療の患者様とのやり取りを、報告していきます。

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