この題材をつけるキッカケになったのは、80~歳の女性・西岡さんを見て感じた事からつけました。(西岡和子さんが製作した作品です。医院の雰囲気に合わせすべて刺繍で作られています。製作期間6ヶ月・素晴らしい作品です。私は頂いたことを本当に嬉しく思っています。感謝・感謝)

この女性との出会いは、ある知り合いの男性の方を治し、その繋がりでその西岡さんの旦那さんを治したキッカケで、開業当初から通院されました。
この西岡さん、数十件の歯医者に通い満足できるように訴えていたのです。
その訴えは、「入れ歯は気持ち悪いから他に方法はないのでしょうか」
この訴えであれば、今の治療法・・・・インプラントで解消すると簡単に思うところですが、家族は高齢の上、足もおぼつか無い状態で、遠方川西市から一人で来院されるし、経済的にももう無理はしたくないという結論で、却下になりました。
そうなると方法は、保険制度の適応が外れてしまう設計のブリッジと、やはり入れ歯を組み合わせた設計になってしまいました。
・・・・・私の気持ちでは、この設計で本当に満足されるのか一抹の不安も感じました。
西岡さんは、精神的に少しナーバスな方だと思っていましたが、それが歯から来ているとは、その時、全く想像つきませんでした。
その出来事を気づくキッカケになったのは、仮歯を口の中で製作していた時の事でした。
どう作ってもバランスが取れないため・・・・・。
もしかして、若い時出っ歯だったのではと私が思ったことからでした。
当然過去50年前の話を聞く事になります。答えはYESでした。
以前の歯医者でも出っ歯を無くすためのブリッジしたことはあるらしいが、咬みにくく、無理したブリッジにするため、周りの歯が締め付けられる痛みになるらしく、断念。
そのため、前歯がくっついた少し大きめの入れ歯になっていました。しかし、それはさらに気持ち悪く付けてられない状況になり、外出が益々控えめになりがちに。
なぜ、昔、上の前歯を抜いたのか?
理由は簡単、出っ歯が治るという歯科医の勧めだったとの事。
出っ歯は治ったものの、無理したブリッジを設計のため、噛むたびに周りの歯がきしみ痛むという苦しみから、歯医者をコロコロ変える羽目に!
それが30年続くことになったらしいのです。
この西岡さんの悩みすべては理解できたため、何を気をつければ良いのか判ったため、このブリッジの問題は解消できました。この修正は簡単でないですけど、ポイントを外さなければ違和感も少なくなると考えていました。
すると、見る見る精神的にも安定・前向きになり笑みが多くなり、この娘さんから母が元気になって何でも前向きになり若返ったと報告を頂きました。
私も・・・・・ん・・・・・不思議な事があるもんだ。
消して入れ歯が気持ち悪くて、付けれないのではなかったのです。
昔からのコンプレックスを解消でき、さらに痛みが消えたことで、歯の悩みに意識が無くなったと言う事で、入れ歯が嫌だということではなかったのですね。
綺麗でありたい。その代償は長かった。
それでも、
「女性はいつまでも女性でありたい、綺麗でありたい」という想いを改めて気付けたケースでした。
美しさを保つために努力する事は、他の人、本人の心を豊かにするみたいです。
いくつになっても「綺麗ですね。」と世の中の女性に声をかけるべきですね。
元気にさせる秘訣かな???